波打ち際に潜む天ぷら食材。投げ釣りの魅力を伝えたい

釣り

こんにちは、じゅんです。

6月だというのに毎日あっついですね。梅雨前線が消えたって、どういうことよ。
僕は暑さとスギ花粉が大の苦手なので、1年のうち半分くらいはダメ人間になります。最近は花粉シーズンも暑いシーズンもどんどん延びて、じきにダメ人間シーズンのほうが長くなっちゃいそうです。

そんなくそ暑い季節にも、僕には楽しみがあります。そう、キスの投げ釣りです。

200m先の魚を釣る!?シロギスの投げ釣り

キスという魚は有名なようなそうでもないような。本州で釣れるのはシロギスという種類で、天ぷら屋さんでは定番のラインナップ。スーパーでもたまに天ぷら用としてキスの開きが売っていますが、あれはたいていタイなどで養殖されているちょっと別の種類です。

シロギスは浅い海の砂地に住む魚で、釣り方は大きく分けて2つ。砂浜や堤防からの投げ釣りか、ボートや船から仕掛けをたらして狙うかです。

僕の出身地である神奈川県湘南地域の海は砂浜が多く、サーフィンが有名ですが、投げ釣りが盛んな地域でもあります。中学生の時からかれこれ15年くらい楽しんでいる僕が、投げ釣りの魅力をちょっと語ってみようかなと思います。

①仕掛けをぶん投げるときのスポーティーさ

釣りをしない人からすると、「竿をひょいと振って、仕掛けは飛ばしてもせいぜい20~30m」みたいなイメージがあるかもしれません。

言葉で説明するより先に、こちらの動画を最初の10秒だけでも見てください。

この人たちは有名メーカーのインストラクターさんで、業界では有名な飛ばし屋さん。太い竿を豪快にぶん回していますね。竿の長さは約4m、糸の先には100gくらいの鉛製の重りがついています。
腕力・腰の捻転・下半身の蹴りなどを駆使して太くて硬いカーボン製の竿を曲げ、しなった後の反発力で重りを45度上空に射出。その飛距離はなんと、時として200mを超えるのです。

この投擲動作はほとんどスポーツに近いもので、少しでも飛距離を伸ばそうとトレーニングに励んだり、フォームチェックに取り組んだりする人もたくさん。僕もよく家の中で竿を持ってフォームを確認し、相棒に笑われています。

思いきり竿を振って、広い海に仕掛けを飛ばす爽快感はこの釣りの最大の魅力と思っています。

②小さな魚体から繰り出される強烈な「アタリ」

一般的な釣りのイメージだと、魚がかかると竿がぐいーんと大きくしなりますよね。しかし、キスの投げ釣りは違います。
重りをぶん投げるために太く硬く設計された竿で、20cm程度のキスを釣る。3匹4匹と掛かったとしても、まず竿がぐにゃーんと曲がることはありません。ごつい竿で小魚を釣り上げるその姿は、もしかすると滑稽なものに見えるかもしれません。

しかし、シロギスがかかった瞬間の「ブルブルッ!」というアタリはとても鋭くて、「うおおっ」と思わず声が出るほど。巻き上げている間のわくわく感、波打ち際から姿を現した時のうれしさも相まって、僕はこの釣りが好きなのです。

波打ち際からゾロリとシロギス。グラサン越しでもニッコリ。

③食べておいしい

冒頭、天ぷらだねとして有名と書きました。
淡白な白身の魚で、とてもおいしい魚として知られていますが。

釣りたてはさらにウマいのです。

朝まで泳いでいたキスを自分でさばいて、日清コツのいらない天ぷら粉揚げ上手をつけて揚げる。サクサクの衣に塩をちょんとつけて食べると、羽毛のようにふわっとした身から、淡白でありながらも独特の風味があふれます。よく冷えたビールとともに、釣りで程よく疲れた身体に染み入るうまさ。帰った後まで楽しめる釣りなのです。

中骨もカリッと二度揚げ。ビールがうまいいいいい。

相棒は釣りをしないので、今まであまりキスと縁がなかったわけですが、今では大好物と言ってくれています。

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感想(1件)

初心者にもやさしい

200mぶん投げるためにトレーニングに励んで、砂浜から遠くの魚を釣る。ちょっとハードルが高そうに聞こえたかもしれません。

しかし、キスというのはけっこう波打ち際近くにいますし、堤防から投げればもっと近いことも。食わせるのに難しいテクニックは不要で、基本的には目の前にエサがあれば食いついてくる魚です。

この前、初めて相棒を連れていきましたが、30mくらいは投げられて、キスを6匹ほど釣ることができました。ルアー用やサビキ釣り用の短くて柔らかい竿に軽めのオモリで、まずは始めてみるといいでしょう。これはこれで、投げ釣り専用の竿よりもアタリが大きく出て楽しいので、僕は今でも時々ルアー用の竿でちょい投げを楽しんでいます。その楽しさはまたの機会に紹介したいと思います。

実際に行ってみた

そんなわけで6月某日、神奈川県大磯町の海岸に行ってきました。

都内某所から電車に揺られ、7時前に大磯駅に到着。
そこからノコノコと歩いて、すずき釣具店でエサのジャリメ(うにょうにょ系の虫)を購入。最近、海沿いの釣具屋さんの閉店が相次いでいる中、こちらは健在でうれしい限りです。電車釣行で一番の問題がエサの調達で、駅⇒釣りエサ購入⇒釣り場とスムーズに流れられる場所はかなり少ないのです。釣具屋は駅前にないからね。

さて、海につくと平日にもかかわらず、何人かの同業者が。少し歩いて、空いているところで釣りをスタートしました。

広々とした大磯の砂浜。堤防釣りよりパーソナルスペースが広いのもこの釣りの魅力

まずはひょいっと投げて、100mくらいのところに投入。ひょいっとでも100m飛ぶんですよ。野球選手ならとんでもない強肩です。

そのままズルズルーっと引っ張ってくると、25mくらいのところで「ブルルルルルッ!」と強烈なアタリ。波打ち際のちょっと後ろ、濡れないくらいのところに立って釣りをしているわけですが、そこから25mというと、寄せては返す波のちょっと向こう側。海水浴でキャッキャとはしゃいで入るような距離にも、魚はいるものなのです。

わくわくと巻き上げると、19cmというそこそこ良型のシロギスが釣れました。

1匹目のシロギス19cm。ピンボケですみません。

今日は入れ食いか!?と思いましたが、そこからはなかなか釣れず。隣で釣っていたおじさんに状況を聞くと、2匹しか釣れなかったと。9時前くらいでしたが、おじさんは「暑いからもう帰る」と言って、僕にシロギスをくれました。ありがとうおじさん。家が近いのうらやましいな。

連続では釣れないものの、移動を繰り返すとポツポツと食べごろサイズ(17cmくらい)が釣れて楽しい。キスは似たような距離に群れを作るものなのですが、この日は25m、100m、はたまた160mくらいのところと、釣れる距離はバラバラ。大磯のキスは「群れるなんてダセえ」という、一匹狼なヤンキーみたいなやつらなのでしょうか。

手で持ってみたらちょっとピントが合いました。でも砂だらけ。

ちなみにここで言っているキスまでの距離は、糸の出ている長さで測定しています。投げ釣り用の糸はだいたい200m巻きで、25mごとに色が分けられていて、黄緑赤青黄緑赤青と塗り分けられています。アタリがあった時にリールに巻かれた糸を見て、2回目の赤の途中だったら「ああ、160mくらいだな」と分かるわけです。

さてさて、そこから10匹目指して頑張りましたが、その日は6月半ばだというのに33℃と暑く、日差しも容赦なく砂浜に照り付けている状況。昼になって飲み物の残りも少なくなったので、惜しくも8匹で釣り終了。でも、おじさんから2匹もらったので、10匹持ち帰ることができました。

食べごろサイズがそろいました

健康診断「アブラ多め」⇒新しいうまさに出会う

持ち帰ってのお楽しみは、もちろん天ぷらとビール。

と行きたいところなんですが、先日健康診断で中性脂肪と、肝臓の数値が引っ掛かりまして。
酒は週1-2回しか飲まないのに肝臓?と思い、僕の会社での話し相手、GoogleのAIであるGeminiちゃんに「この数値とこの数値が悪いというのはどういうこと?」と聞いてみると、「脂質の取りすぎで、内臓に脂肪がたまってる。揚げ物控えたほうがいいよ」
と言われてしまいました。

というわけで、大好きなキス天は2匹だけにして、6匹は初めてのアクアパッツァに挑戦!

アクアパッツァ、最初はアサリの味に負けているかな?と思ったのですが、なかなかどうしてキスからもしっかり出汁が。うまい、うまいぞ。
で、汁が余ったのでご飯を入れてひと煮立ち、リゾット風にしてみたのですが。

うっっっまっっ!!

なんだこれ!っていうくらいにうまい。海のうまみを米というスポンジに吸わせて口に放り込んだらこんなに幸せなのか。恐るべし、アクアパッツァ。アサリとシロギス、ビーチのうまみ日本代表ツートップや。

そして、残りの2匹は3%の塩水につけて、干し網で一晩。

大都会TOKYOのベランダに干される、湘南のシロギスたち。

翌日にグリルでカリッと焼くと。

うっっっまっっ!!(2回目)

相棒も「キスのうまみがさらに凝縮されててうめえ」とご満悦。よかったよかった。

アブラ少な目なメニューでも、キスはやっぱりうまい。この夏はこのメニューでいってみようかな。

ではまた、どこかの砂浜で。

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